大型犬の飼育は大変?何に苦労するのか、迎える前に知っておこう

大型犬 大変お世話

日本では小さくて飼いやすい小型犬が人気ですが、犬好きな人であれば、一度は大型犬を飼うことに憧れたことがあるのではないでしょうか。

大型犬はどっしりとした存在感があり、優しく大らかな雰囲気で私たちに安心感を与えてくれます。
一緒に思い切り走って遊んだり、身体が大きいのでギュッと抱きしめられるのも魅力ですね。

私たちの生活を豊かにしてくれる大型犬ですが、家族として迎え入れるにはそれなりの心構えが必要です。犬種の特徴やお世話にかかる手間、費用などについて調べず安易に迎えてしまうと、十分に面倒を見てあげられなかったり、最悪の場合手放すことを考えなければならなくなるかもしれません。

ここでは、大型犬がなぜ飼うのが大変と言われているのか、その理由や解決方法についてご紹介します。

大型犬は力が強くてエネルギッシュ!

身体が大きく力のある大型犬は、小型犬と比べお散歩や運動、お手入れなど日々のお世話に手間がかかります。

力が強くて散歩が大変!

犬種や年齢などにもよりますが、運動不足にならないよう1日2回、1回につき約1時間のお散歩が必要です。引っ張る力が強いので、お年寄りや子供がお散歩に行くことはおすすめできません。

普段大人しい子であっても、猫などを見つけて咄嗟に走り出すこともあります。

筆者が勤務する動物病院でも、引っ張られた飼い主さんが肋骨を骨折したり、コントロールできなくなった犬が他の犬とトラブルになったケースもあります。きちんと犬を制御できる人がお散歩に行き、確実にリードを持つようにしましょう。

大型犬は多くの運動量を必要とします。時間のあるときは、ドッグランでリードを外して思い切り走らせてあげると良いでしょう。運動不足解消だけでなく、ストレス発散にもなります。

噛む力も小型犬とは比べ物にならないくらい強い

犬の噛む力は身体が大きくなればなるほど強くなると言われており、体重25㎏以上の犬では約160~200㎏にもなると言われています。

やんちゃな子犬を迎え、テーブルの足や柱をかじられてボロボロにされてしまった、という飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。人や他の犬を噛んでしまえば、トラブルになることも考えられます。噛み癖は子犬のうちからきちんとしつけておきましょう。

また、頑丈そうに見えるおもちゃでも、強い力で噛めば壊れてしまうことがあります。

誤って飲み込んでしまうことがないよう、おもちゃを与えている間は犬から目を放さないようにしたり、最後は飼い主さんが回収するようにしましょう。

体が大きい分お手入れも一苦労

大型犬は力が強く、身体の面積が広い分、ブラッシングやシャンプーなどの作業も大変です。

大人しくお手入れさせてくれる子であっても爪切りや耳掃除は嫌がって動いてしまうことが多いため、安全面を考えても2人がかりで行うことをおすすめします。

大型犬の爪の切り方!上手に切る方法と注意点
大型犬の爪が伸びて気になったとき、爪を切った方が良いのか、どのように切ったらよいのか考えたことはありませんか?爪切りはトリミングサロンや動物病院にお願いする方法もありますが、注意点を守れば自宅で切ることも可能です。ここでは...

1人は犬の身体を支えたり、おやつなどのご褒美を与えて犬の気をそらしましょう。

犬の被毛の構造には2種類あり、オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の2重構造になっている「ダブルコート」の犬と、アンダーコートが生えていない「シングルコート」の犬がいます。

ゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバー、バーニーズマウンテンドッグなどはダブルコートの犬で、季節の変わり目に訪れる換毛期になると大量の抜け毛が発生するので、ブラッシングが欠かせません。

また、シングルコートをもつ犬であってもスタンダードプードルなどは毛玉になりやすいので、小まめなお手入れが必要です。

大型犬はお金がかかる

犬の寿命が15年とした場合、生涯にかかる費用は500万円を超えると言われています。
そして、犬の体型によってもかかるお金に差が出てきます。

それぞれ見ていきましょう。

食費

犬は身体の大きさに応じて、食事にかかる費用が高くなります。

ペット保険のアニコム損害保険株式会社の調査によると、フード・おやつにかかる費用は犬全体の平均が年間57,900円で、費用がかかる犬種ランキングででは1位にゴールデンレトリーバー(118,700円)、2位にラブラドールレトリーバー(107,704円)がランクインしています。

運動量が多く食事の量が多い犬や、プレミアムフードを食べている犬、おやつが多い犬、病院から処方された療法食を食べている犬などは、より食事にかかる費用が高くなるでしょう。

医療費

フィラリア予防やノミ・マダニの予防、病気の治療など、犬の健康を守るには医療費がかかります。

身体が大きくなればなるほど薬品の使用量も増えるので、当然大型犬は小型犬よりも費用がかかることになります。大きな病気やケガなど、もしものときのために貯蓄しておいたり、ペット保険に入るなどの備えが必要です。

動物病院は「自由診療」という料金制で、診療にかかる料金の設定は各動物病院がそれぞれ定めることになっています。
不妊手術や毎年の予防医療(ワクチン接種やフィラリア予防など)にかかる費用などは、動物病院に問い合わせて比較してみても良いかもしれません。

お手入れにかかる費用

大型犬のお手入れが大変なことは先述したとおりですが、手間がかかるという事実はトリマーさんにとっても同じです。

料金設定は地域やサロンによって異なりますが、目安として小型犬のシャンプーコース(シャンプー+爪切り、肛門腺など)の料金が3,000円~、大型犬では8,000円~くらいかかり、10,000円を超えることも少なくありません。

カットコースの場合、体のサイズに関わらずシャンプー料金+2,000円くらいになることが多いようです。

大型犬が月に1回トリミングサロンに出かけるとすると、年間100,000円ほどかかる計算になり、出費もばかになりません。コスト削減のためには、できるだけ自宅でお手入れをしたいものです。

カットの必要がない犬であれば自宅でシャンプーし、爪切りなど飼い主さんが難しいお手入れだけプロにお願いするなど、工夫してみましょう。

その他、大型犬を飼うと大変なこと

大型犬を飼うためには、他にも知っておくべきことがあります。

徹底したしつけが必要

大型犬を飼育するには、無駄吠えや噛み癖、飛びつきなどのしつけを徹底しなければなりません。

大型犬の鳴き声は大きく、無駄吠えがひどければご近所トラブルになりかねません。噛み癖があれば大切な家具を破壊したり、遊びで飛びついたつもりでも相手が子供やお年寄りであれば大ケガすることも考えられます。

人間社会で人と犬が幸せに暮らすには、仔犬の頃からしつけが欠かせません。飼い主さんは毅然とした態度でしつけをトレーニングし、自宅でのしつけで不十分と感じるようであれば、ドッグトレーナーなどの専門家に相談しましょう。

お出かけが制限される

旅行や帰省などでお出かけする場合、中型犬以上になると移動手段が限られてきます。交通会社によってルールが異なるため、事前のチェックが大切です。

例えば、JR全社の電車や新幹線の場合、愛犬を入れたケース長さは70㎝以内で、縦・横・高さの合計が90㎝程度、ケースと動物を合わせた重さが10キログラム以内と定められているため、大型犬が利用することはできないのです。

ペットホテルや旅館に宿泊する場合も、施設によってペットの宿泊が不可であったり、体重やサイズ、頭数に規定が設られていることもあります。お出かけ前に調べておきましょう。

高齢になった大型犬の介護は大変

大型犬は体が大きい分、足腰が弱くなって歩けなくなったり、寝たきりになったとき、飼い主さんの負担が大きくなります。

老化のサインとしてまず後ろ足から弱くなるので、散歩のときにハーネスなどで補助する必要が出てきます。屋外で排泄する子は、飼い主さんが身体を支えてあげましょう。

おむつをする場合は小まめに取り替え、汚れを除去して衛生的に保ちます。寝たきりであれば、床ずれができないよう介護用マットを仕来たり、2~3時間に1回くらい体位を変えてあげる必要があります。

いつ終わるかわからない大型犬の介護を一人で頑張ろうとすると、精神的にも体力的にも大きな負担になります。家族で役割分担するなど協力し合い、愛犬の生活を守ってあげましょう。

大型犬との生活は苦労も多いですが、それ以上に私たちにかけがえのない時間を与えてくれるものです。愛犬が最期の時を迎えるまで、犬も人も幸せな毎日を送りたいですよね。

この記事を書いた専門家
Yuki

動物専門学校卒業後、動物病院に約15年働いている動物看護師。
■保有資格
「認定動物看護師」「ドッググルーミングスペシャリスト」「コンパニオンドッグトレーナー」

Yukiをフォローする
タイトルとURLをコピーしました