大型犬に長生きしてもらうには?寿命を伸ばすためにできること

病気・ケガ

穏やかな性格の子が多く、存在感のある大型犬。お散歩で飼い主さんの横を悠々と歩く姿は頼もしいものです。大型犬を家族の一員として迎えたら、できるだけ元気に長生きしてほしいですよね。

一般社団法人ペットフード協会が発表した「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」によると、犬全体の平均寿命は14.44才で、中・大型犬は13.69才と、大型犬の平均寿命は比較的短いことがわかります。

大切な愛犬と一日でも長く一緒に過ごすために、飼い主さんには何ができるのでしょうか。

ここでは、大型犬に長生きしてもらうためにできる食事管理や運動、生活環境などについてご紹介します。

大型犬の長生きの基本は食事管理

健康的な身体づくりの基本は、毎日の食事です。
まずは食事の選び方や与え方、注意点についてご紹介します。

食事の選び方

犬は与える子のライフステージによって、必要な栄養素やエネルギーが異なります。年齢に応じた、大型犬用のドッグフードを選びましょう

ドッグフードは、与える目的別に大きく「総合栄養食」と「副食」に分けられています。

パッケージに「総合栄養食」と記載されたドッグフードは主食になるフードで、栄養バランスのとれた食事です。

そのフードと水を与えていれば、成長段階に合った必要な栄養素が摂取できるように作られています。一方、「副食」や「一般食」「おかずタイプ」などと記載されたフードは、おやつやご褒美として与えることを目的としたもので、主食には不向きです。

缶詰めなどウェットタイプは副食が多いので、飼い主さんが気づかないうちに主食として与えてしまっていることもあります。おうちの子に与えているフードのパッケージを確認してみましょう。

おやつ、副食の与えすぎに注意

副食タイプのフードやおやつは嗜好性が高く作られているものが多いので、喜んで食べてくれるでしょう。飼い主さんも、愛犬が美味しそうに食べてくれる姿を見るのは嬉しいものです。

しかし、せっかく総合栄養食を与えていても、副食を与えすぎれば、全体的な栄養バランスを崩してしまったり、カロリーオーバーになってしまいます。

環境省が発行する「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」では、副食は1日あたりに必要なカロリーの20%以内におさめることが大切としています。

犬が欲しがるままに与えるのではなく、トレーニングやしつけのご褒美として利用するなどして、上手に与えましょう。

食事の与え方

大型犬の食事の回数に明確な決まりはないので、犬の様子を見ながら決めていきましょう。

子犬の場合、多くのエネルギーや栄養を必要としますが、胃袋がまだ小さくまた消化機能も未発達です。そのため、栄養価が高く消化しやすい子犬用フードを、1日に3~4回に分けて与えると良いでしょう。食事の間隔が空きすぎると低血糖症を引き起こしてしまうので注意しましょう。

成犬になると1日2回、朝夕が一般的です。

一度に少量しか食べられなかったり、空腹時間が長いと胃液を吐いてしまうような場合には1日3回でも良いでしょう。大切なことは一日の給与量をきちんと決めておき、与えすぎないということです。

給与量はフードのパッケージに記載されていますが、これはあくまでも目安になり、ほとんど運動しない子が記載された給与量通りの量を与えていれば肥満になることも考えられます。犬の様子を見ながら量を加減しましょう。

大型犬は早食いに注意

大型犬に多く見られる「胃拡張胃捻転」という病気は、胃内に多量のガスが発生して胃袋がパンパンになり(胃拡張)、胃がねじれる(胃捻転)病気です。ドライフードの早食いや、食後の運動が原因になると考えられています。

胃拡張胃捻転を発症すると、大量のよだれや呼吸困難、吐こうとしても吐けない、ぐったりするといった症状が見られ、ショックを起こし短時間で命を落としてしまうこともあります。

フードを一気に食べてしまう子であれば少量ずつ与えたり、早食い防止用の食器で与えましょう。食後のお散歩や運動を避けることも大切です。

大型犬には十分な運動量を確保しよう

犬は身体を動かすことが大好きです。
ストレス発散のためにも、毎日欠かさず運動させてあげましょう。

運動の基本は毎日の散歩

犬種や年齢にもよりますが、大型犬の散歩は朝夕2回、1回につき30分〜1時間程度が目安になります。走る必要は無いので、ゆっくりと時間をかけて長い距離を歩きましょう。

大型犬は引っ張る力が強いので、散歩に使う首輪やリードは身体のサイズに合った丈夫な物を選びましょう。飼い主さんがリードで手をケガしないよう、軍手をするのもおすすめです。

散歩中に引っ張られて飼い主さんが転倒したり、骨折するケースもあるので、子犬の頃から正しい散歩の仕方をしつけておくことも大切です。

時間があるときはドッグランなどで遊ばせよう

休日など時間のゆとりがあるときは、ドッグランなどの広い場所でたくさん遊ばせてあげましょう。大型犬は普段のお散歩だけでは満足しないことも多く、運動不足の解消だけでなく、ストレス発散にもなります。

いきなりノーリードにしない、大型犬エリアがあれば利用するなど、マナーを守り気持ちよく利用しましょう。

運動時の注意点として、体重がある大型犬が激しい運動を続けると関節や骨に負担をかけてしまうことがあります。

大型犬に多く見られる「股関節形成不全」という病気は遺伝による影響が大きい病気ですが、骨が急速に成長する子犬期に過度な運動をさせた場合も、発症リスクが高くなると言われています。

夢中になっていつまでも遊んでしまう子であれば小まめに休憩を挟んだり、歩き方に異常が見られたら遊びを中断することも大切です。水遊びが好きな子であれば、関節に負担がかかりにくいドッグプールの利用を検討しても良いでしょう。

大型犬の生活環境を整える

大型犬が健康的に長生きできるような生活環境を整えてあげましょう。

室内飼育で長生き

近年、犬の寿命は延びつつありますが、この理由のひとつが室内飼育の犬が増えたことと考えられています。屋外で飼育されている犬は室内飼育の犬に比べ、感染症や熱中症、脱走して事故に合うなどのリスクが高くなります

また、室内よりも気温や湿度の変化が大きいため、ストレスを受けて体調を崩してしまうこともあります。

室内飼育をすると、飼い主さんと長い時間一緒に過ごすことでコミュニケーションが取りやすくなったり、体調の変化にもいち早く気付くことができるというメリットもあります。

大型犬といえば外飼い、というイメージが強いかもしれませんが、ブラッシングやトイレのしつけができていれば、決して難しいことではないので、室内飼育を考えてみましょう。

誤飲・誤食に注意

犬を飼育する上で注意したいのが、異物の誤飲・誤食です。特に大型犬の場合は口が大きいので、飼い主さんが予想していなかった物を丸のみにしてしまうということもあります。

筆者が勤める動物病院では、遊んでいたボールを飲み込んでしまった子や、散歩で口にした石、遊びで引き裂いたタオルを飲み込んでしまった子もいました。

チョコレートやキシリトールガム、タバコ、人用の薬など、中毒性のある物を飲み込んでしまったときは、短時間で下痢や嘔吐、ケイレンなどの中毒症状が現れることがあります。病院では、飲み込んでから時間がたっていなければ吐かせるための催吐処置をしたり、胃洗浄を行います。

飼い主さんが外出するときには犬をケージに入れる、犬にとって危険なものは届かない場所に保管するなどして、犬の安全を確保しましょう。

病気の早期発見・早期治療に努めよう

犬は言葉で体調不良を訴えることができないので、病気の発見が遅れがちです。

気付いたときには進行していた、ということにならないよう、飼い主さんは病気の早期発見・早期治療を心がけましょう

犬に異変を感じたら早めに対処する

日頃から犬の様子をよく観察し、異変があったときにはすぐ気付けるようにしましょう。

犬が体調不良になったときに見られる症状としては、元気が無い・食欲が無い・お散歩に行きたがらない・じっとうずくまるといった症状が代表的です。

症状が一時的なもので様子を見ているうちに治ってしまうこともありますが、病気だった場合には対処が遅れると悪化したり、治療を受けても治るまでに時間を要してしまうことも考えられます。

見た目ではわからない病気もあるので、できるだけ動物病院を受診することをおすすめします。

定期検診を受ける

成犬になってからの犬の1年は、小型犬で人間の約4年、大型犬では約7年に相当すると言われています。半年~1年に1回くらいを目安に、定期的な健康診断を受けましょう

定期健診の内容は動物病院によって異なりますが、身体検査や血液検査、尿検査、糞便検査などの基本的な検査から、超音波検査、レントゲン検査、心電図検査などを行うこともあります。

検査内容によっては尿や便を持参したり、食事制限が必要な場合もあるので、あらかじめ受診する動物病院に確認しておきましょう。

人の医療と同じく動物医療も日進月歩で、予防法の確立によって防げる病気が増えてきたり、以前は治らないと言われていた病気でも、技術の進歩によって完治が見込めるようになった病気もあります。

検査をしてみないと発見できない病気もあるので、定期的に動物病院を受診し、愛犬と一日でも長く幸せな日々を送ってくださいね。

この記事を書いた専門家
Yuki

動物専門学校卒業後、動物病院に約15年働いている動物看護師。
■保有資格
「認定動物看護師」「ドッググルーミングスペシャリスト」「コンパニオンドッグトレーナー」

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