大型犬と飼い主さんがゆっくり優雅にお散歩している姿を見て、素敵だなあと憧れたことはありませんか?
もしあなたの愛犬がお散歩のときに好き勝手な方に歩いたり、ぐいぐい引っ張るようであれば、信頼関係が構築できていない、お散歩の仕方に問題があるなど何か見直すべきことがあるのかもしれません。
身体が大きく、力が強い大型犬に引っ張られてしまえば、飼い主さんが転倒してケガをしたり、他の犬や人とのトラブルになる可能性もあります。
ここでは、大型犬に引っ張り癖がつく理由や引っ張り癖の対処法、引っ張り癖を直すときの注意点についてご紹介します。
大型犬に引っ張り癖がつく理由

大型犬の引っ張り癖を直すためには、まず引っ張る理由について知ることが大切です。飼い主さんを引っ張る理由は犬によって様々なので、愛犬の様子を普段からよく観察し、原因を探ってみましょう。
- 犬が好奇心旺盛
- 興奮しやすい性格
- 信頼関係が築けていない
- リードが長すぎる
大型犬に引っ張り癖がつく代表的な理由を4つご紹介します。
犬が好奇心旺盛
好奇心旺盛な犬は、目の前を通りすぎた猫やひらひらと飛ぶ蝶々を見て突然引っ張ったり、飛びかかろうとします。
また、いつもと違うお散歩コースや初めて出掛けた場所で興味津々になり、早く先が見たいという気持ちから引っ張ることもあります。
興奮しやすい性格
犬は毎日のお散歩をとても楽しみにしています。お散歩の時間が近づくとそわそわしたり、興奮しやすい子はリードを持つと嬉しすぎて飛びついてくるかもしれません。
特に子犬などの若齢犬は興奮しやすく、飼い主さんが落ち着かせようとしてもなかなか言うことを聞いてくれないかもしれません。
このような性格の子は、お散歩に出てからもリードをぐいぐい引っ張り、飼い主さんが引きずられてしまうことが多いようです。
信頼関係が築けていない
犬が飼い主さんよりも先に歩く場合、自分がリーダーでお散歩の主導権も自分にある、と思っている可能性があります。主従関係がきちんと築けていないと、引っ張り癖の問題だけでなく無駄吠えや噛み癖など様々な問題行動を引き起こす可能性があります。
愛犬と正しい関係を築くには、お散歩の時間だけでなく日常での接し方を見直す必要があるかもしれません。食事を与える前に「おすわり」「まて」「よし」とコマンドを出したり、身体のどこを触っても嫌がらないようにしつけるなど、基本的なしつけを徹底しましょう。
リードが長すぎる
リードが長いと犬と飼い主さんの間に距離ができ、心理的にも距離ができやすくなります。飼い主さんへの気持ちよりも目の前にいる他の犬や落ちている物への好奇心が上回ると、リードを強く引っ張ってしまいます。
伸縮リードは犬が引っ張ったときに急に伸びて、拾い食いをしようとしたり、他の犬とケンカしそうになったときに犬の動きを制御できなくなってしまいます。
お散歩のときは伸縮性のない普通のリードを使用しましょう。
大型犬の引っ張り癖の対処法

大型犬の引っ張り癖は簡単に直るものではありませんが、他の犬とのトラブルや交通事故などに繋がる危険性があるので、きちんとしつけることが大切です。
- 犬を落ち着かせる
- 引っ張ったら方向転換する
- 指示に従ったらきちんと褒める
- 引っ張り防止グッズを利用する
引っ張り癖を対処するポイントを5つご紹介します。
犬を落ち着かせる
好奇心旺盛な犬や興奮しやすい犬の場合、まずは犬を落ち着かせましょう。
犬は散歩に出るときが最も興奮しやすいので、散歩を始める前に「おすわり」などのコマンドを出して、落ち着いてからでないとお散歩に行けないと教えましょう。
歩き始めるとすぐに興奮して引っ張る子の場合は、その都度立ち止まって落ち着かせるコマンドを出しましょう。
引っ張ったら方向転換する
主導権が自分にあると思っている犬の場合は、飼い主さんがリーダーと理解してもらうことが大切です。犬が引っ張って歩いたときにそのまま付いていくのではなく、止まって方向転換し、飼い主さんが犬の前を歩くようにしましょう。
犬が引っ張るたびに方向転換を繰り返すとで、飼い主さんがお散歩のリーダーだとわかるようになります。
指示に従ったらきちんと褒める
コマンドにきちんと従ったり、引っ張らずに歩いているときは、大げさなくらい褒めてあげましょう。お気に入りのおもちゃやご褒美のおやつを使うのもおすすめですよ。
おもちゃを与えたままにすると犬が「自分のものだ」と思い込んでしまうので、短時間遊んだら回収し、また指示に従ったときに与えましょう。ドッグフードを喜ぶ子であれば、おやつ代わりにドッグフードの粒を与えても良いでしょう。
ご褒美で与えた分だけ食事から減らすことで体重管理しやすくなり、肥満を防止できます。
引っ張り防止グッズを利用する
力の強い大型犬の動きをコントロールするために、引っ張り防止機能のついた胴輪や口輪などの便利グッズを使用するのもおすすめです。
「ジェントルリーダー」は、世界中のしつけ教室・盲導犬協会等で採用されている代表的なアイテムで、ノーズループとネックカラーで構成されています。
犬のリーダーは自分の優位性を示すために相手の犬の鼻をやさしくくわえる行動を取りますが、ノーズループにはこれと同じようにマズルを覆い、軽くリードを引っぱるだけで自然に鼻先が後ろを向かせる効果があります。
ちなみに、ネックカラーは力が加えられた反対の方向に力をかけかえすという犬の習性を利用し、後頭部に圧力をかけて引っ張りを防止する効果があります。使い方をよく確認し、正しく装着しましょう。
大型犬の引っ張り癖を直すときの注意点

しつけの仕方を間違えると、犬との信頼関係が壊れてしまう場合があります。
正しくしつけて、引っ張りグセを直しましょう。
- 時間をかけて気長に取り組む
- 厳しく叱らない
- 一貫した態度でしつける
時間をかけて気長に取り組む
引っ張り癖はすぐに直るものではないので、毎日根気強くしつけることが大切です。犬の性格などによりますが、引っ張り癖が直るまでには数週間~数ヶ月かかることもあります。
強い力で引っ張られていると途中であきらめたくなるかもしれませんが、しつけが成功すればお散歩がとても快適になるので、愛犬との楽しいお散歩をイメージしながら気長に取り組みましょう。
厳しく叱らない
大型犬がいうことを聞かないからといって、大声で怒鳴ったり手をあげることはやめましょう。お散歩自体が苦手になってしまったり、信頼関係が崩れて他の問題行動を引き起こしてしまうかもしれません。
望ましくない行動のときに厳しく叱りつけるのではなく、きちんとできたときに犬にわかりやすいよう褒めてあげることで、良い関係が築けるでしょう。
一貫した態度でしつける
引っ張り癖をしつけている間は、毎日同じように一貫した態度でしつけましょう。
「昨日は時間をかけてじっくりトレーニングをしたけれど、今日は忙しいから急いで散歩だけ済ませよう」と引っ張りを容認してしまうと、次にしつけをしようとしたときに犬は混乱してしまいます。
愛犬と向き合う時間をきちんと設け、一貫した態度でしつけることが大切です。
家族で引っ張り癖のしつけを共有することも重要です。
お母さんとのお散歩では引っ張ってはいけないけれど、お父さんのときは自由に前を歩ける、と散歩する相手によって違う行動を取ってしまうようであれば、しつけが成功したとは言えません。
誰がお散歩に行っても同じようにしつけられるよう、家族でしつけ方を統一しておきましょう。
まとめ
犬の引っ張り癖を直すには、その理由について知り、原因に合った方法で根気強くしつけていくことが大切です。
大型犬の場合、引っ張り癖が大きな事故に繋がることも珍しくないので、しつけが上手くいかない、難しいと感じたら専門のトレーナーに相談することもおすすめです。
しつけには時間がかかりますが、愛犬と毎日快適にお散歩できるよう、焦らず気長に取り組みましょう!