子犬の乳歯はいつ生え変わる?抜けない場合の対処や歯みがきについて

お世話

犬も人と同じように、乳歯から永久歯に生え変わることをご存知でしょうか。子犬が口をもごもごしていたり、前足でしきりに口をいじるような仕草をしていたら、歯が抜け変わるサインかもしれません。

ここでは、子犬乳歯がいつ、どのように生え変わるのか、抜けないときはどのように対処したら良いのか、子犬の歯みがきについてもご紹介します。

子犬の乳歯はいつ、どう抜ける?

子犬の乳歯は生後20日頃に生え始め、8週齢頃にはすべて生え揃うといわれています。一般的には上顎と下顎すべて合わせて28本生えますが、これらの歯はやがて抜け落ち、永久歯へと生え変わります。

歯が生え変わるときには歯茎から出血することがあり、口の周りや前足に血が付いていて、驚いてしまう飼い主さんもいるようです。

出血は自然に止まるので、心配する必要はありません。

子犬の乳歯が抜ける時期は生後4~8ヶ月頃

個体差はありますが、子犬の乳歯が永久歯に生え変わるのは生後4~8ヵ月頃とされています。

この時期になると、子犬は歯茎がむず痒くなったり口に違和感を覚えるため、口をくちゃくちゃさせたり、床にこすりつけたり、おもちゃを執拗に噛んだりする様子が見られます。

乳歯は、食事の時に抜け落ちてフードと一緒に飲み込んでしまうことが多いため、飼い主さんが気付かないうちに抜けていることも多いようです。

歯を飲み込む、と聞くと不安に感じるかもしれませんが、排便のときに一緒に出てくるので心配は要りません。

抜けた乳歯がおもちゃのぬいぐるみに刺さっていたり、たまたま床に落ちていた、ということもあります。抜け落ちた乳歯を見つけられたら、ラッキーかもしれませんね。

乳歯と永久歯の本数

犬の乳歯は全部で28本、永久歯は全部で42本です。歯には名称があり、犬を正面から見たときに手前から切歯、犬歯、前臼歯、後臼歯といいます。ちなみに、乳歯は後臼歯は生えません。

切歯はいわゆる前歯で、獲物を捉えたり、食べ物をかみ切ったり、身体が痒いときの毛づくろいに使います。犬歯は大きなキバで、獲物を捉えたり、肉を引きちぎったり、敵に対して威嚇の際にむき出しにする歯です。

臼歯は文字の通り臼状の歯で、人では食べ物をすりつぶす役割をしますが、犬の場合は咀嚼(そしゃく)する習慣が無いため尖っていて、食べ物をかみ切る役割をしています。

犬の歯列

【乳歯】
上顎:切歯(3)、犬歯(1)、前臼歯(3)、後臼歯(0) =14本
下顎:切歯(3)、犬歯(1)、前臼歯(3)、後臼歯(0) =14本

【永久歯】
上顎:切歯(3)、犬歯(1)、前臼歯(4)、後臼歯(2) =20本
下顎:切歯(3)、犬歯(1)、前臼歯(4)、後臼歯(3) =22本

永久歯が本来の数より多い場合を過剰歯(かじょうし)、少ない場合を欠歯(けっし)と言います。歯の本数の異常は、短頭種の犬や小型犬に多く見られます。愛犬の歯が正常に生えているか、確認してみましょう。

子犬の乳歯が抜けないときは

犬の乳歯が抜け切らないうちに、そのまま永久歯が重なって生えてしまうことがあります。これを乳歯遺残(にゅうしいざん)といいます。乳歯遺残は様々な口腔内トラブルを引き起こします。

乳歯遺残で問題になること

抜けなければならない乳歯が残っていると、永久歯が生えたときに不自然に重なり合い、隙間に歯垢や歯石が付着しやすくなります。狭い隙間にたまった汚れは歯みがきでも落としにくいため、口臭の原因になったり、早期に歯周病を引き起こしてしまいます。

また、乳歯が抜けていないと永久歯が異常な位置に生え、不正咬合(歯並びが悪くなること)になってしまいます。すると、見た目の問題だけでなく、口の中を歯で傷付けてしまったり、ひどい場合には犬歯が歯茎に刺さってしまうこともあります。

乳歯遺残をそのまま放置しておくことに、良いことはありません。

動物病院に相談を

自宅で無理に乳歯を抜こうとすると、犬が嫌がって口を触らせてくれなくなってしまったり、歯が途中で折れてしまうことも考えられます。乳歯遺残はかかりつけの動物病院に相談し、処置を受けましょう。

抜歯は基本的に全身麻酔下で行われます。

乳歯を抜歯するためだけに麻酔をかけることはあまり一般的ではなく、避妊・去勢手術のときに同時に抜歯を推奨する動物病院が多いようです。

乳歯を抜くことで歯並びの矯正が期待できますが、あまり長い間放置しておくと歯の位置が固定されてしまい、抜歯をしても永久歯が正常な位置に移動してくれないこともあります。

そのため、適切な時期に抜くことが重要になりますよ。

子犬の乳歯は歯みがきした方がいい?

いずれ抜け落ちてしまう乳歯を歯みがきしても意味がないのでは、と考える飼い主さんもいるかもしれません。しかし、歯みがきはなるべく早いうちに始めることが大切です。

子犬のうちから習慣づける

ある程度成長してから歯みがきを始めようとしても、自我が芽生えているため、嫌がったり抵抗されて時間がかかってしまうことがよくあります。

歯みがきが特別なことではなく、習慣として行うものとしつけるめにも、子犬の頃から始めましょう

歯みがきに慣れていると抵抗なく口に触らせてくれるようになるので、口の中に出来物はないか、歯茎に炎症を起こしていないかなど、健康チェックもできるようになります。

子犬のうちから歯周病になることは少ないかもしれませんが、3才以上になると80%以上の犬が歯周病を発症するといわれています。早めの口腔ケアで、犬の健康を守りましょう。

子犬の歯みがきのやり方

初めから歯ブラシを口に入れると、犬は驚いてしまいます。歯みがき=嫌なものと印象づけてしまうと、次から飼い主さんが歯ブラシを持っただけで逃げてしまうかもしれません。

  1. 初めは指で歯や歯肉を触ったりして、口を触らせることに慣れさせる。
  2. 指に歯みがきシートを巻いて歯を優しくこすってみる。
    美味しい味のついた歯みがきジェルを塗っておくと、犬も受け入れやすくなります。
  3. 慣れてきたら歯ブラシを使って磨く。
    歯磨きは、切歯(前歯)からみがき始め、徐々に臼歯(奥歯)へと進めていきます。

ステップアップするたびに、ご褒美をあげたり撫でたりして、きちんと褒めてあげてくださいね。

子犬の歯みがきの注意点

子犬の歯みがきの一番大切なのは、習慣化することです。

飼い主さんが「全ての歯をしっかり磨かなければ」「毎日やらなければ」と気負ってしまうと、継続が難しくなってしまうかもしれません。

気持ちに余裕をもって時間があるときにトライし、嫌がり始めたら「続きはまた明日ね」と考えることも大切です。

乳歯が生え変わる時期には歯茎が赤くなったり、出血することがあります。このような場合、無理な歯みがきは避けましょう。

まとめ

子犬の乳歯は、適切な時期に抜けず、残ってしまうことがあります。乳歯遺残は歯周病や不正咬合など様々な口腔内のトラブルを引き起こすので、動物病院で相談しましょう。

子犬の歯みがきは、習慣化するためにも乳歯のうちから始めることをおすすめします。
日頃から口の中を観察することで、歯周病などの口腔内トラブルの早期発見にも繋がりますよ。

長く続けることが大切なので、飼い主さんはおおらかな気持ちで取り組んでくださいね。

この記事を書いた専門家
Yuki

動物専門学校卒業後、動物病院に約15年働いている動物看護師。
■保有資格
「認定動物看護師」「ドッググルーミングスペシャリスト」「コンパニオンドッグトレーナー」

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