大きな体で存在感の大きなグレート・ピレニーズは、超大型犬の中でも人気が高く、これから家族に迎え入れたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
今回は、人気の大型犬「グレート・ピレニーズ」の基本的な情報や特徴、飼い方で注意したいことを中心にご紹介致します。
グレート・ピレニーズの基本情報

ここでは、グレート・ピレニーズの体高や体重、平均寿命、歴史などの基本的な情報についてご紹介致します。
グレート・ピレニーズの体高や体重
体高はオスで70cm~80cm、メスで65cm~75cmが理想とされており、体重はおおよそ40kg~60kg程度と個体差によって大きな差が生じます。
いずれにしても、大型犬の中では超大型犬に分類される大きな犬種です。
グレート・ピレニーズの寿命
グレート・ピレニーズの寿命は、大型犬の中ではごく平均的な10年〜12歳だといわれています。
ただし、調査団体によってグレート・ピレニーズの寿命についての調査結果は様々ですので一概には断言できません。
先天的な病気の有無、飼育環境などによって寿命は大きく異なりますので、寿命10年〜12歳というのは、あくまで参考にしてください。

グレート・ピレニーズの歴史
グレート・ピレニーズは、国王ルイ16世の妃である「マリー・アントワネット」を護衛していた犬として非常に有名です。
もともとは、「ピレネー山脈」と呼ばれるフランスとスペインの国境につらなる地域で牧羊犬などとして活躍していました。
グレート・ピレニーズの運動量
一言でグレート・ピレニーズといっても、運動が好きな犬も嫌いな犬もいます。
そのため、個々の犬によって運動量は異なりますが、基本的には1回約60分の運動を2回程度行うと良いといわれています。
アクティブに走る運動というよりも、飼い主さんと一緒に外出したり、まったりと過ごすのを好む傾向にあります。
グレート・ピレニーズの特徴

美しい白い被毛と存在感で人々を魅了するグレート・ピレニーズは、穏やかな性格の犬が多いのが特徴です。
甘えん坊で家族との絆を大切にするため、上手にコミュニケーションを取りながら愛情をかけて育てることができれば、生涯の良きパートナーとなるでしょう。
グレートピレニーズの被毛の特徴
グレート・ピレニーズは、白くて長い「オーバーコート」と柔らかな毛質の「アンダーコート」を持ち合わせたダブルコートの被毛構造です。
オーバーコートは、やや固くて丈夫なな構造になっており皮膚を保護する役割を果たします。
また、柔らかくて触り心地の良いアンダーコートは、保温機能が備わっておりますが、グレート・ピレニーズに関わらず、ダブルコートの長毛種は抜け毛が多いのが特徴です。
犬籍登録や犬の血統書発行など行っている一般社団法人 ジャパンケネルクラブでは、毛色がグレー、薄いイエローやウルフカラーのグレート・ピレニーズも認めています。
グレートピレニーズの性格の特徴
性格に関しては、個体差や育て方によって大きく異なりますが、一般的にはグレート・ピレニーズはとても優しい犬が多く、穏やかな性格の犬が多いといわれています。
しかし、歴史的に牧羊犬だけでなく番犬としても活躍していたことから、家族以外の人や犬に対して警戒心が強い犬もおり、自宅を中心にテリトリーを守ろうとすることから来客時など、外部から侵入してくる人に対して吠える犬も多くいます。
その反面、信頼している家族との関係を大切にし、コミュニケーションが不足していると寂しさからストレスを抱えることもあり、甘えん坊な犬が多いので適切なコミュニケーションを取ることが大切です。
グレート・ピレニーズの飼い方

グレート・ピレニーズに限ったことではありませんが、大型犬を飼うのは簡単なことではありません。時間的な余裕や金銭的な余裕があることが大切です。ここでは、グレート・ピレニーズの飼い方について簡単にご紹介致します。
グレート・ピレニーズのしつけ
グレート・ピレニーズを家族として迎え入れたら、適切な関係づくりを行いましょう。
警戒心が強い犬も多いので子犬期の社会化は必須ですが、グレート・ピレニーズの場合はしつけというよりも、いかに飼い主さんが愛犬と適切な関係を築くことができるかが重要になります。
そのため、しっかりとコミュニケーションをとり、人間の子供に良いこと・ダメなことを教えるように愛情をかけながらもメリハリのある教え方をすることが大切です。
その他、体が大きいため、飛びつきや引っ張り癖が大きな事故になることがあります。リーダーウォーク(歩行トレーニング)や人や他犬に飛びつかないように教えておくことが大切です。
賢い犬種ですので、飼い主さんと犬がしっかりとした関係を築くことができていれば、褒め伸ばしで色々なことを覚えてくれます。
グレート・ピレニーズの定期ケア
グレート・ピレニーズの被毛は、長毛のダブルコートで抜け毛も生じやすいため、週3日を目安にブラッシングをしてあげましょう。
換毛期などの抜け毛がひどい時期は、毎日ブラッシングを行うことをおすすめします。
その他、垂れ耳ですので外耳炎にならないように定期的に耳掃除をすることが大切です。犬の耳の内部は複雑な構造になっているため、耳掃除に慣れていない方は動物病院で定期的に処置してもらいましょう。
- 通常時は週に3日のブラッシング
- 換毛期は毎日ブラッシング
- 外耳炎にならないように定期的な耳掃除
グレート・ピレニーズの気をつけたい病気
グレート・ピレニーズは、大型犬に多い股関節形成不全や胃捻転症候群を発症しやすく、その他にも悪性度の高い腫瘍である「骨肉腫」の発症リスクが高いのも特徴です。
- 四肢や関節の病気に要注意!
- 胸の深い犬に多い!胃捻転症候群
- 超大型犬は要注意!骨肉腫
四肢や関節の病気に要注意!
グレート・ピレニーズは、大型犬に多い股関節形成不全や膝蓋骨脱臼など四肢・関節の病気に注意が必要です。
そのため、愛犬の生活環境には四肢や関節に負担のかかりにくいペット用の滑りにくいクッションフロアやカーペットなどを敷いてあげましょう。
最近では、フローリングを滑りにくくするためのペット用特殊加工をしてくれる業者も増えてきました。
子犬期の過剰な栄養摂取も股関節形成不全の原因になると考えられています。食事は、成長期は、子犬用の総合栄養食を与えて過度にサプリメントなどを与えないことが大切です。
胸の深い犬に多い!胃捻転症候群
グレート・ピレニーズは、胸の深い超大型犬に多い胃拡張・胃捻転症候群の発症率も高い犬種です。
胃が捻じれることによって引き起こされるこの病気は、早急に治療を行わないと急速にショック状態におちいり命に関わるため注意が必要です。
現段階では、確実な予防法がみつかっていないものの、一般的には食事前後の運動を避けることが大切だといわれています。
早食いや早飲みも危険ですので、最低でも食事前後2時間は運動させないようにして、早食いをしてしまう場合はスローフィーダーなどを活用する、または1回の食事量を減らして1日の食事回数を増やすことをおすすめします。
超大型犬は要注意!骨肉腫
犬の骨の悪性腫瘍で一番発生頻度が多いのが骨肉腫です。
大型犬や超大型犬に発症率が高く、「骨芽細胞」と呼ばれる骨をつくるための細胞部分が変異して腫瘍になります。
犬の死因の第一位が悪性腫瘍といわれていますが、骨肉腫は非常に転移しやすいため、何より早期発見が大切です。グレート・ピレニーズを家族に迎え入れたら、必ず定期的な健康診断を行い、万が一に備えてペット保険への加入をおすすめします。
まとめ
今回は、優しさと穏やかさ、存在感の大きさが特徴のグレート・ピレニーズについてご紹介しました
グレート・ピレニーズに限った話ではありませんが、大型犬を飼うためには十分な時間やお金だけでなく、ある程度、犬に関する知識や住居スペースがあることも大切です。
パートナーとしてグレート・ピレニーズを家族に迎え入れる場合は、様々な観点から犬を生涯幸せにできるか考えておきましょう。