最近ドッグフードメーカーやドッグフードの種類も昔に比べて格段に増えており、大型犬のドッグフード選びに悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、大型犬のドッグフードの選び方や注意点、おすすめのドッグフードについて、様々な企業のドッグフード開発を請け負っている犬の管理栄養士が厳選した5つのフードをご紹介します!
大型犬ドッグフードを選ぶときの6つのポイント

大型犬ドッグフードを選ぶときに重要視していただきたいことは数多くありますが、中でも重要となる、6つのポイントについてご紹介させていただきます。
- コスパ
- 動物性タンパク質の割合が高い
- 穀物不使用
- 機能性成分
- 胃腸ケア
- 総合栄養食基準
コスパの良いドッグフードを選ぶ
大型犬は、小型犬や中型犬より遥かに食事量が多く、ドッグフード代が継続してかかります。
どんなに良いドッグフードであっても、継続して与えることができないと意味がありませんが、安い人工添加物やトウモロコシを中心とした穀物類が多く含まれたドッグフードを与え続けると、健康被害の原因にもなりえます。
そこでポイントとなるのがコスパの良さです。ドッグフードを選ぶときは、原材料を中心に裏ラベルの情報をしっかりと確認して、コスパの良い安全なドッグフードを選ぶことをおすすめします。
動物性たんぱく質の割合が高いドッグフードを選ぶ
犬は雑食だとも言われていますが、犬の消化能力を配慮すると肉や魚の動物性たんぱく質が豊富なドッグフードに越したことはありません。
特に大型犬は、小型犬より運動量が多い犬種が多く、必要とされる散歩時間も長いのが特徴です。そこで、良質な筋肉の維持をするためには、動物性たんぱく質の割合が重要視されます。
日本で採用されているドッグフードの総合栄養食基準は、AAFCO(米国飼料検査官協会)が制定した基準が使われています。
AAFCOは、The Association of American Feed Control Officialsの略。
米国飼料検査官協会というアメリカの団体で、ドッグフードに配合する栄養素の割合を決める栄養基準のこと。
ドッグフードのパッケージにはAAFCOクリアなどと表記されている。
このAAFCO2016の基準では、タンパク質が子犬が22.5%以上、成犬が18.0%以上の割合で配合されていることとあります。
最近のプレミアムドッグフードはこれらの数値を遥かに上回るものが多いです。
私、犬の管理栄養士として、大型犬におすすめする動物性たんぱく質の割合は、健康体の犬で30%以上が理想的。
ただし、腎臓疾患などたんぱく質の摂取制限が必要な病気を発症している場合は別です。
ドッグフードを選ぶときは、パッケージの裏に記載されている成分表の動物性たんぱく質の割合に注目してみましょう。
穀物不使用のグレインドッグフードを選ぶ

あまり知られていないものの、ドライフードに含まれている穀物は消化しやすいように製造過程の一環として加熱加工されて「 アルファ化」というものが施されているものがほとんどです。
そのため、「穀物=犬が消化しにくい」というのはドッグフードに関しては正解とも言い切れない部分ですが、肉や魚の動物性たんぱく質の方が犬の消化能力に適していることも確かなことです。
特に大型犬のエネルギー源としては、穀物などの植物性たんぱく質よりも、肉や魚などの動物性たんぱく質が、筋肉を中心に健康的な体の維持には重要視されています。
また、穀物アレルギーがある犬に関しては、アレルギー対策として選ぶのも有効です。
完全に穀物不使用でなくても大丈夫ですが、ドッグフードの主原料は良質な動物性たんぱく質が使用されているものがおすすめです。
機能性成分が含まれているドッグフードを選ぶ
大型犬は股関節形成不全の発症率が非常に高いので、グルコサミンやコンドロイチンなどの機能性成分が含まれているドッグフードがおすすめです。グルコサミンやコンドロイチンの効果は科学的に確実な効果が実証されていないものの、骨軟骨の形成成分として有名です。
また、遺伝子的に股関節形成不全を発症している大型犬も多いため、既に発症してしまっている場合は痛みや炎症緩和に効果的なオメガ3脂肪酸が含まれているドッグフードがおすすめです。
オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)については科学的に効果が実証されており、痛みや炎症の緩和目的で動物病院でサプリメントが処方されることも多い成分です。
さらに、皮膚や被毛の健康維持、脳の健康維持など様々な健康効果が期待できる必須脂肪酸(体内で合成できないため、食事からの摂取が推奨されている)です。
選んだドッグフードに含まれていない場合は、サプリメントの利用もおすすめですよ。
胃腸ケアのできるドッグフードを選ぶ
犬の腸管には、体全体の免疫細胞のうち大よそ60%~70%が集中しているといわれています。
大型犬に限った話ではありませんが、ドッグフード選びで意外に大切なのが胃腸ケアのできるドッグフード選びです。
そのため、腸の健康維持は免疫力のサポートに繋がり、様々な病気の予防が期待できます。
腸を健康に保つためには、消化しやすい動物性たんぱく質が主原料になっていることはもちろん、適度な食物繊維が配合されていることがポイント。
その他、最近のプレミアムドッグフードでは、腸の健康維持を目的として、乳酸菌やフラクトオリゴ糖などの機能性成分が含まれているドッグフードも多いのが特徴です。
特に大型犬は、ゴールデン・レトリバーやバーニーズ・マウンテン・ドッグ、ラブラドール・レトリーバーなど悪性腫瘍の発症率が高い犬種が多いので、免疫力は年齢問わず高めておくことをおすすめします。
総合栄養食基準をクリアしているドッグフードを選ぶ
最近では多くのドッグフードが販売されるようになりましたが、総合栄養食基準をクリアしていない商品も実は多くあります。
総合栄養食とは、健康体の犬であればそのドッグフードと水だけで犬の生命維持を可能とする栄養バランス基準をクリアしたドッグフードのことです。
この基準をクリアしていないドッグフードだと、栄養バランスが偏ってしまい、特定の栄養素の過不足が生じてしまいます。長期継続して与えることで様々な病気や健康トラブルの原因になります。
大型犬ドッグフードを選ぶときは、必ず裏ラベルに総合栄養食表記があるか確認しましょう。
大型犬におすすめのドッグフード|ドライフード2選
それでは、健康体の大型犬におすすめのドライフード2選をご紹介します。
大型犬の場合は、ドライフードを与えている方が大半を占めるかと思いますが、それでも継続的に食費がかかりやすいので、コスパの良いドッグフードを中心にご紹介します。
85%以上の原材料が肉類の「オリジン」ドッグフード
オリジンのドッグフードは、犬が本来食べてきた食事を再現することをコンセプトに開発されているため、ドッグフードの原材料の85%以上が肉類などの動物性たんぱく質源で作られています。
全部で8種類のレパートリーが用意されており、大型犬の成犬であればオリジンオリジナルやオリジン 6フィッシュ ドッグ、オリジン レジオナルレッドが特におすすめです。
オリジンドッグフードをおすすめする理由は、総合栄養食基準をクリアしていることはもちろん、原材料がすべてヒューマングレードであること。
さらに、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)や大型犬の骨格形成に重要となるグルコサミン・コンドロイチンが摂取できる原材料を使用しているドッグフードが多いところです。
オリジンドッグフードの価格
購入する場合は安全性の観点から「国内正規品」と記載があるものをおすすめしますが、国内正規品のオリジンオリジナルの参考価格は、税込23,100円/11.3kgです。
オリジンドッグフードの価格は、販売店や種類、内容量によって異なりますが、内容量が多い方がkg当たりの単価が安いので、消費量の多い大型犬の場合は11.3kgの大きいサイズがおすすめです。
一見高額なように感じますが、給与量が全般的なドッグフードより少ないため、意外とコスパが良く、少量でしっかり栄養を摂れます。
穀物不使用のコスパ抜群大型犬用ドッグフード「ネルソンズ」ドッグフード
腸の健康維持を目的として肉類を主原料にしており、機能性成分の「マンナンオリゴ糖」、「フラクトオリゴ糖」を配合することで、さらに腸の健康維持に役立つように配慮。
大型犬の筋肉維持や免疫力維持(=様々な病気予防)に役立つ、コスパの良いドッグフードです。
また、着色料や香料も不使用で作られています。
ネルソンズのドッグフードはコスパの良さにありますが、大型犬に必要な動物性たんぱく質源として約50%のお肉を使用していて、穀物を一切使用していないグレインフリードッグフードです。
また、大型犬の場合、サイズが小さいドッグフードだとむせてしまう事があるのですが、ネルソンズドッグフードは大粒なので安心です。まさに大型犬のために作られたドッグフードと言って良いでしょう。
・ネルソンズドッグフードの価格
ネルソンズドッグフードの価格は販売店によって異なりますが、税込9,284円/5kgが目安です。
な公式サイトでは個数によって値引き率が異なり、3袋定期コース購入の場合は1パック当たり税込6,864円/5kgで購入できます。
運動量(ドッグフードの消費量)が多い大型犬や超大型犬の場合は、断然定期コースがおすすめです。
大型犬におすすめのドッグフード|ウェットフード
大型犬の場合は価格的な問題から、なかなかコスパの悪いウェットフードを与えることができない方がほとんどですが、やはり消化能力を考えると水分量のあるドッグフードも捨てがたいのではないでしょうか。
ウェットフードは給与量も多く、費用がかさみがちですので、トッピングご飯として利用することをおすすめします。
生食に近いグルテンフリードッグフード「ブッチ」
ブッチは、生肉に近い水分量に調整されている、犬の消化能力に適した生食に近いドッグフードです
人工添加物を使用されていないことはもちろん、小麦やグルテン、イーストなどは一切使用されていないのが特徴です。
製造方法も、肉のしっかりとした味と栄養素を生かしたブッチ独自の調理法を採用しており、開封した瞬間に人も食べたくなるような豊かな香りがします。
ブッチには、ブラックレーベル(ビーフ・ラム・チキンが主原料)、ブルーレーベル(チキン・フィッシュが主原料)、ホワイトレーベル(チキンが主原料)の3種類があるため、愛犬の好みに合わせて購入しましょう。
動物性たんぱく質割合の多く、特に運動量の多い大型犬におすすめです。
動物性タンパク質は最大で92%という、圧倒的に高い割合を占めているため、腎臓疾患やその他の病気によってたんぱく質制限がない大型犬に最適です。
その他、総合栄養食基準もクリアしているので栄養バランスについても申し分がないのではないでしょうか。
ブッチの価格
ブッチの価格は販売店によって異なりますが、公式サイト以外で購入する場合は3種類のセット商品で税込4,980円/800g x 3本程度です。
公式サイトでは800g x 3本の同じセットが初回特別お試し価格で税込3,000円で販売されているので、まずは試してみたいという方は公式サイトから購入しましょう。
愛犬に合わせたおすすめのドッグフード2選
愛犬によっては、上記のドッグフードが使えない場合があります。
そこで、食物アレルギーがある大型犬、肥満体型の大型犬におすすめのドッグフードをご紹介します。
アレルギー持ちの大型犬におすすめのドッグフード
食物アレルギーがある大型犬の場合は、アレルゲン除去食を使用するケースが多いのが特徴ですが、一言でアレルゲン除去食といっても犬によってアレルギーの原因は様々です。
そのため、アレルゲン食材が含まれている可能性があるので注意が必要です。
愛犬のアレルギーが特定されていない場合は、単一たんぱく質(複数のたんぱく質原材料が含まれていない)のドッグフードがおすすめです。
アカナグラスフェッドラム
アカナグラスフェッドラムは、、肉原材料に低アレルギー性のラム肉のみを使用していて、食物アレルギーの原因になりやすい穀類やポテト、タピオカなども含まれていないのが特徴です。
ラム肉には、鶏肉や牛肉、豚肉などと比較すると大型犬の体脂肪燃焼を促進する作用の高い「L-カルニチン」という成分が豊富にふくまれているので、肥満対策をしたい大型犬にも最適。
たんぱく質割合についても、31.0%以上とAAFCOの総合栄養食基準の最低たんぱく質割合を遥かに上回ります。
アカナグラスフェッドラムの価格
アカナグラスフェッドラムの価格は、販売店や内容量によって大きくことなります。一般的に並行輸入品の方が安いのですが、安全面に配慮して極力国内正規品を購入しましょう。
国内正規品の場合の一番大きなサイズで考えると、参考価格は税込11,438円/11.4kgでコスパが良いのもメリットなのではないでしょうか。
肥満体型の大型犬におすすめの「ニュートロ ナチュラルチョイス ラム&玄米 減量用」
大型犬の減量用ドッグフードは大手メーカーが様々なドッグフードを販売していますが、原材料や添加物を考えると、おすすめできるドッグフードが限られてしまうのが難しいところです。
そこで、肥満体型の大型犬におすすめのドッグフードはニュートロです。
肥満犬の減量を目的としているドッグフードで、低カロリー・低脂質で作られています。
同じメーカーのラム&玄米と比較すると、カロリーが約15%オフ、脂質が約28%オフでつくられており、食事量を減らさなくても大型犬が満腹感を維持できるように、ビートパルプなどの食物繊維を配合しているのが特徴。
また、大型犬は股関節形成不全などの発症率が高いのが特徴ですが、関節の健康維持を目的としてグルコサミンとコンドロイチンが豊富に含まれている乾燥ラム肉を使用しているところもおすすめポイントです。
空腹が続くと愛犬にストレスになり、無駄吠えにも繋がります。なにより、かわいそうです。ニュートロは、満腹感に配慮している点がおすすめポイントです。
ニュートロ ナチュラルチョイス ラム&玄米 減量用の価格
ニュートロ ナチュラルチョイス ラム&玄米 減量用の価格は、販売店や内容量によって大きく異なりますが、参考価格は、税込9,799円~/13.5kgです。コスパが良いのが嬉しいですね。
内容量が多いほどkg単価が安くなることがほとんどですので、大型犬の場合は大きめサイズがおすすめです。
まとめ
今回は、大型犬におすすめのコスパが良いおすすめドッグフードを中心にご紹介しました。
最近では、多くのプレミアムドッグフードが販売されていますが、大型犬や超大型犬の場合は継続的な出費を考えるとコスパの良いドッグフードに越したことはありません。
どんなに良いドッグフードであっても、食事は長期間継続することで健康効果がでることがほとんどですので、原材料や添加物の内容、穀物使用の有無などに合わせて、継続的に続けることができる価格か否かも確認して選びましょう。